国際物流の円滑化に関する提言
平成一四年七月二五日
自由民主党物流調査会
会 長 原田 昇左右
我が国の国際競争力強化のため、利用者利便を第一において、輸出入・港湾関連手続の簡素化、ワンストップ化、国際標準化を早急に実現させることは、喫緊の課題である。このうち、シングルウィンドウシステムについては、平成一五年度の早い時期の稼働をめざして、関係府省で検討が行われているところである。当調査会においては、関係府省の検討案がこれらの課題の解決に有効であるかについて、利用者の意見を聴取したところである。その結果、今後、更に以下の対応を行うことが必要であるとの認識に至った。関係府省においては、早急に以下の対応を行うことを提言する。
一、 利用者意見の反映
利用者意見に対する関係府省の対応の現状は、利用者利便の確保という観点からは、必ずしも十分とは言えない。事業者の負担を軽減するため、内閣官房主導で、縦割りの弊害が出ないよう関係府省が共同して利用者の意見を聴取しつつ、更なるシステムの改良及び手続きの改善を実施する。
一、 利用料金の見直し
NACCS料金に対する事業者の割高感が依然として払拭されていない。料金の低廉化に努めつつ、可及的速やかに無料のシステムの構築を行うこととする。
一、 手続きの簡素化・国際化
所管官庁毎に縦割りで定められている輸出入・港湾関係手続は、諸外国と比べ大幅に煩雑になっており、国際的に見て合理的な水準にまで簡素化する必要がある。このため、早急に国際海運の簡易化に関する条約(FAL条約)の締結・批准を行い、国内関連法令についても規制改革を断行する。
一、 行政窓口の二四時間化・統一化
港湾荷役の二四時間化については昨年一一月の労使間合意によって実現した。一方、行政手続きの二四時間化は対応が遅れている。早急に検疫、税関、入国管理の諸手続を二四時間化することとし、まず、重要港湾・空港から着手し、これに必要な予算・定員を確保する。
また、円滑な国際貿易の環境整備及び投資促進の観点から、成田空港の周辺地域の税関管轄が分断されていることによる支障が生じないよう必要な見直しを行う。