WWGPフェスタ 2003 レポート


会場の様子

WonderWitch プログラミングコンテスト 'WWGP2003' の最終審査を見に行ってきました。

途中,電車が止まったため,約30分遅れで会場のサンプラザに入場しました。

入り口でアンケートと予選通過作品一覧,そして松原さん手作りの謎のトレーディングカードを2枚(これこれ)もらって会場に入ると,すでに WWGP2003 予選通過作品のプレゼンが始まっていて,ちょうど well-being の太田さんが質疑応答を行っているところでした。

前の方には長机とイスがあり,後ろのほうはイスだけでした。ほとんど席は埋まっていて,私は一番後ろに座りました。

入ってすぐのところに直販コーナーがあり,Witch 関係の製品(少し安かったです)と,WWGP グランプリ作品の販売を行っていました。

松原さんの製作された各種ハードウェアや,(株)コトさんの「ひねもす」が展示されていました。

会場後方には試遊台(ショップにあるものと同じやつ)が設置され,JUDGEMENT SILVERSWORD -Rebirth Edition- (製作途中バージョン?) と DICING KNIGHT が遊べるようになっていました。

私はプレゼンとプレゼンの間に,DICING KNIGHT を購入しました。最初のころは,3000円以上買った人にオマケ(WSC 用ケースか?)があったようですが,私が買った頃にはすでにオマケが品切れだったようで,もらえませんでした。ちなみにこの WSC ケースは,今回の副賞にもなっていたようです。ちょっと見た限りでは昨年のフェスタでプレゼンの質疑応答で質問をした来場者に配られていたものと同じように見えました。

少し後に SILVERSWORD の予約も入れました。

直販コーナーに近い席だったので様子を観察していましたが,遅れてきた私が見ている限りでも,双方,結構売れていたように見えました。


プレゼン(個別)

プレゼンされた皆さんは,短い持ち時間(5分)に苦労されているようでしたが,きちんとまとまっていました。
また,プレゼンで使う TV スワンの接触が悪く,途中,プログラムがうまく動作しなくなり苦労されている方もいらっしゃいました。

個人的には「4コマTV」の星樟八郎さんの独特の間や話し方がツボにはまりました。「脱力感」がかなり可笑しかったです。
会場の皆さんに,今回と同じ感じの次回作を期待されていましたが,ご本人はちゃんとした(?)ゲームを作りたいようでした。その受け答えがまた可笑しかったです。
全16種類のエンディングのうち,2つほどデモしたのですが,質問者の方が「どうやったらあの(応募資料のサンプル画面にある)ロケットの絵が出る展開になるのか予想がつかないのですが(笑)」といった話をし(皆,同感だったのか)大爆笑となっていました。
同人誌で4コマ漫画を描いてらっしゃるようですが,毎回作風が変わるようで,4コマTVのような作品ばかりではないとのことでした。

Solfege のゆみはやさんは,かえるの歌をその場で入力するデモと,あらかじめ打ち込んだガンダムの曲(哀戦士だそうですが私はガンダムの曲はよく知らない...)を,Swan と PC で再生していました。また,応募バージョンでは FreyaOS 1.2 で動作しなかったようですが,動作するようにした修正版を(心を込めて) FD に手焼きして,直販コーナーで無償配布していました(先着10枚ほど)。

Covern FancyRaRa さんは,なぜ,別途応募していてコアの部分である Ritual (インダイレクトライブラリ)ではなくて, Covern のほうが予選通過したか疑問に思っていらっしゃったようですが,園田さんから「単純に両方の説明が聞けそうだったので」という説明がありました。 (GED のような?) GUI 版を期待する声が上がっていました。

JUICY CREW の TOPPO GEORGE (「トッポジージョ」ではない。いつも間違われるそうです。)さんは,連鎖がなくても面白いゲームを!ということで製作されたそうです。好きなゲームはテトリスだとか。しゃべりが上手で楽しかったです。

Es=Loss Zero sideルナーク町田さんは,事前にサンプラザの審査会場を撮影※1画像を入手しておき,これを素材に使ったプレゼン用の特別バージョンで説明をしていました。 (Qute の園田さんも「会場を見たのは今日が始めて」だったそうで「わかっていたなら事前に教えてくれたらよかったのに」とジョークを飛ばしていました)
気合を感じました。技術的には,画像圧縮(LZSS?)を使ったり,タスクシステムを取り入れたとのことでした。
昨年と同様に「カートリッジの容量アップをお願いします。せめて 1Mbit くらいに...」 とお願いしていました。
※1 ルナークさんご本人のレポートによれば,「前日忍び込んで撮影した」はネタだったそうです。

LNPUT の MAY さんは,従来のハイスコア入力の問題点の説明を論理的に行っていました。実際,わかりやすくなっているように見えました。何か入れてみて,とのリクエストで実際に入力されていましたが速かったです。

松鶴 80186飯塚さんは,子供用ゲームコーナーにあるゲーム機の感じを再現した,というこだわりについて説明していました。ゲーム立ち上げ時にはいきなりゲームが始まらず,サービスモードとなり,例えば,地域設定で CHILD や SHIMANE CHILD が設定できたり,カラーやサイズの調整用画面(Swanでは無意味)があったり,細かい芸が光っていました。あとは拡大縮小処理についてもアピールしていました。
将来は通信プロトコルを決め,WonderGate でインターネット対戦を可能にしたり,松鶴 68000 や 松鶴 68020 (Sharp X68000 用?)といった別機種との対戦ができるようにしたいというような話をしていました。

Wave R深谷さんは,「エコプログラミング」ということで,前回,前々回と,製作時間を比較し短くなっているようすを説明していました。今回は,オーバーフロー(固定小数点数 A, B の平均値(A+B)/2 は,(A/2)+(B/2) と計算すべきだった)でハマったのが反省とのことでした。波の表現は,Windows でアルゴリズムを確認してから Witch にもってきたそうです。次回作は WaveS (Shooting Game) を予定されているとか。

フリープレゼンでは,NAGTOSHOP さんが,応募作品(MSXからの移植作品だが,原作者と連絡が取れず,WWGPサイトからダウンロードできない状態のもの)をデモしながら熱く語っていました。面白かったです。まだ,原作者さん,もしくはそれを知る人と連絡が取れていないようでした。
(園田さんに来年は「原作者と再会の場」になればいいですね,とか言われていたように思います)


プレゼン(全体)

第1回(またはこちら)は,最終審査はクローズドで,(高額な)賞金がかかっていたせいか,かなり白熱したプレゼン合戦があったようです。しかも,かなり楽しい内容だったようで,次回はプレゼンを公開した形でやろうということになったようです。

第2回 (またはこちら)は,最終審査後に受賞者がプレゼンを行うという形でした。私も見る側として参加させてもらいましたが,皆さん真剣で「がんばらなきゃなぁ」と感じさせれれる内容でした。

第3回の今年は,最終審査のプレゼンがフェスタというオープンな場で行われ,その中で皆に支持されていた作品が受賞するような形になっていました。今年は笑える場面が多く,アットホームな感じだったと思います。
キュートの園田さんは「今年は本来やりたかった形での最終審査ができてよかった。」とおっしゃっていました。


お楽しみコーナー&プレゼント抽選会

3周年記念ということで,Mr.WonderWitch と呼ぶべき超大物ゲストが登場しました。秘密です。

WonderWitch.com の人気投票は,応募総数が昨年より少し下回る感じだったようです。詳細は公式ページをどうぞ。

プレゼント抽選会は,昨年と同様に ジャンケンプログラム を使ったものでした。昨年は,賞品の数が多かったので,ある程度人数が絞れた段階で,賞品の置いてあるステージ左前に向かってダッシュして速い者勝ちで好きなものを取る形式だったのですが,今年はあらかじめ決めておいた人数になるまでジャンケンをするような形態でした。

昨年,私は会場の後ろにいて悔しい思いをしていたので,今年は対策をうちました。
(会場に行った人はわかりますよね?そうです,あれが私です。)

事前に,ジャンケンプログラムをダウンロードして解析し,対策プログラムを作っておいたのです。

市販のゲームや,昨年もらったケース等のジャンケンでは,わざと負け,いよいよ最後「バンダイの技術の粋を結集し開発した」「普通に買うと5000円くらいはする」というものを賭けた勝負の際,このプログラムで勝ち残りました。(どうもありがとうございました。帰りの電車ではちょっと恥ずかしかったです...)

賞品授与の際「実は絶対に勝ちたくて必勝プログラムを作ってきました」と発言すると,急遽,プログラムをプレゼンするような話になってしまいました。
(つまらないプログラムのために時間を使ってしまいました。ごめんなさい。)

最後,園田さんに「リバースエンジニアリングしましたか?」と聞かれ「しました」と答えましたが,あれはあくまで「ジャンケンプログラムの解析をした」という意味で,WonderWitch の rand() を解析したわけではありません。

松原さん,園田さんもおっしゃっていましたが,ジャンケンプログラムに同梱されていたソースをみると,randomize(=srand() のコール) をしておらず,起動後,毎回同じ手しか出さないことがわかったので,本物がグーを出すところを,チョキを出し...(以下同様)と改造し,手を本物より先だしするために表示の wait を減らしただけです。
大スクリーンで披露することになってしまいましたが,出発前の30分で作った(数行いじって再コンパイルした)ものなので何のネタも仕込んでありませんでした。つまらなくてごめんなさい。ああなるならもっとネタを仕込んでおくべきだったと後悔しています。

できたら来年もジャンケンでお願いいたします>(関係者)

オマケ: ジャンケン対策プログラムのダウンロード


各賞の発表

公式に発表されました→こちら。

メモを取らなかったので,覚えている範囲で書きます。()内は受賞理由。

課題部門賞
Wave R (子供が見てもぼよんぼんゲームだと言うだろう。)
フリースタイル部門賞
Covern (難易度の高いユーザシェルに挑戦。今後の発展の基礎となる技術。)
審査員特別賞
well-being (荒削りだが磨けばよくなる(アイディアがよい)と感じた。)
ひねもす賞((株)コトさんが会場に展示していた「ひねもす」を賞品に,当日,急遽作った賞)
4コマTV
ゲーム部門賞
Es=Loss Zero side(WWGP2001:予選落ち,WWGP2002:予選通過,と来て,最後に執念で受賞ですね(といってからWWGP2003は「最後」ではないと訂正 by 園田さん))
グランプリ
松鶴 80186 (完成度が高い。ゲームセンターに置いてあってもおかしくない。)

次回について

皆さん,プレゼンの中で「もし次回があれば,また参加したいと思います」と発言していました。
次回はないんじゃないかぁ,でもやってほしいなぁ,と思っているように聞こえました。

Qute の園田さんからは,次回開催については,皆が作品を発表し,活動を続ける限りは開催できるようにがんばりたい(開催側も楽しいので,やりたいと思っている)との事でした。

皆,よい刺激を受けていたようですので,きっと来年もあると信じています...。


2003/07/25 公式ページや,ルナークさんのレポートにあった情報を元に修正。ハイパーリンクを追加。その他修正。

2003/07/21 初版


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Last update: 2003/08/16 22:34
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